アメリカの授業スタイル
アメリカで保育士免許を取るために短大に通っていた時。
ご存知かもしれませんが、アメリカではとにかく授業中に “Why? (何故?)” “How? (どうやって?)” の質問がやたら多いんです!!
先生が一方的に講義をするというよりも、一つ説明したら「これは何故だと思う?」とか、「どうしてこういう結論になったと思う?」と、とにかく質問!
そして、生徒もその質問に正解、不正解関係なく、更には遠慮もなく、バンバン答えて行きます。
更には、生徒までが先生に「何故コレはこうなんですか?」の質問。
ハイ、日本人にはこんなスタイル、全然慣れません。
日本人は、授業中は先生の話を聞くというモードは大全開。
でも、先生の問いに答えるというモードは完全にオフですから、突然正解のないような質問を出されると、「えっ!そんなん突然聞かれても!」と戸惑うばかり。
授業での「先生」と「生徒」の関係
アメリカ人にとって、「授業」は先生と生徒が共に対等な立場で作り上げていくものなんだとか。
だから、生徒も生徒もリラックスした状態で授業を進め、先生もコーラなんかを飲みながら、生徒もお菓子を食べながらの講義なんです。
そして、先生には勿論敬意は示すけれど、先生の意見は違う!と思えば反対意見を遠慮なく先生にぶつけます。
肝心の先生も、そんな反対意見に不快感を示したりせず、「彼のこの意見については皆さんどう思いますか?」と、そこからまたディスカッション。
場合によっては、ディスカッションがヒートアップして、全然話が前に進まない、なんてことも。
でも、これは生徒にとっても、先生にとっても大事な学びのプロセス。
この授業中の意見の交わし合いによって、先生は生徒が自分の話を理解してくれたかをチェックしているんです。
先生と生徒の対等な関係は、成績にも現れる?
先生と生徒が共に授業を作り上げる、というのは、成績評価の際にも色濃く現れます。
自分は一生懸命頑張った!と思った課題にCのレポートが付いて返ってきた時、皆さんならどうしますか?
日本人は、「え~、頑張ったのにな~。他にももっとすごい人がいたのかな~」と疑問は抱いても、その評価を素直に受け止めるんじゃないでしょうか。
でも、アメリカ人は違います。
授業が終わったら即、先生の下へ向かい、「先生!なんでCの評価なんですか?」と説明を求めます。
そして、成績の交渉スタート。
生徒は「この点をすごく頑張ったんです」と先生にアピール。
先生は「この大事な点には触れられていなかったわね」と何故Cなのか説明。
すると生徒が「私は授業にも真剣に参加していたし、これだけの本も読みました!」と更なるプッシュ。
そして、そんな生徒の言い分に先生も納得すると、「分かりました、B-にします」な~んてことも。
こんなやり取り、日本で受け付けてくれる先生がどれだけいるでしょうか。
アメリカ人先生たちから見るアジア人生徒
これだけがっついて行くアメリカ人生徒に比べ、日本人や他のアジア人は授業中大変おとなしいです。
先生も、授業中静かなアジア人によく「遠慮しないで意見を言いなさい、大丈夫だから」と促します。
また、先生の中には「アジア人は授業中静か過ぎて、分かってるのか、分かってないのか、よく分からない」なんて言ったりする先生も。
ただ、儒教や仏教の影響なんでしょう。アジア人には、先生を敬うという習慣があります。
先生には挨拶をする、授業に遅れたら急いで席につく、先生の前を堂々と横切らない、なんて日本人にとったら当たり前のマナー。
でも、この私たちの体に染み付いた当たり前のマナーが、アメリカ人先生たちには胸キュンのツボなんです。
こういう扱いを受けると、アメリカ人先生たちは、かなり気持ち良いらしいです。
日本人の私たちがアメリカの授業に参加する時は
では、日本人の私たちが「何考えてるか分からない」と損をすることなく、ガツガツ参加してくるアメリカ人と一緒に授業を受ける時には、どうすれば良いでしょうか。
まずは、簡単なところから始めましょう。
一番初めにやってみて欲しいのが、発言している人のことをちゃんと見て、「ウンウン」と頷くことです。
これだけでディスカッションに参加している感がグッとあがります。
そして、これは慣れでしかありませんが、絶対に馬鹿にされないので、どんな小さなことでも質問をしてみて下さい。
質問なんて、何でもいいんです。
「その言葉の意味が分からないので、教えてください」
「コレとソレでは、どう違いますか?」でも全然大丈夫。
この二つをするだけでも、印象が大分変わってきます。
そして、最後に!
先生には、日本人お得意のリスペクトの態度で接すること!
いきなりアメリカ人みたいに授業に参加するなんて、日本人には無理です。
でも、この3つの手始めから取り組んでみて下さい。
先生からの扱いがグンと変わり、授業も楽しく、参加しやすくなりますよ。
+ とりあえず発言者の意見に、「ウンウン」と頷く
+ 小さな質問をしてみる
+ 先生には敬意を示す