アメリカに来てから、オーブンデビューを果たす
唐突な質問ですが、みなさんって、オーブンの使い方には慣れてらっしゃいますか?
私はアメリカに来るまで、オーブン料理とは本当に無縁でした。
恥ずかしいことに、バレンタインの時でさえ男の子に手作りチョコやクッキーを作った事がないくらい、オーブンやお菓子作りと縁遠かったワタシ。
ちなみにお菓子作りに勤しんだのは、小4の「手作りお菓子クラブ」時代だけ。
その時でさえもオーブンではなくオーブントースターや電子レンジを使う始末。
とにかくアメリカで生活するまで、オーブンは私の生活に全く登場しなかったのです。
しかし、いざこちらに来てみると、どの家庭にも当然のようにあるオーブン。
日本で言う、コンロの下にある魚を焼くところが、アメリカでは大きなストーブになってるんです。
また、料理が趣味の主人は、オーブンを駆使しまくってのクッキング。
突然オーブンがここまで身近になると、「オーブンって案外簡単なんじゃない?」と感じ始めました。
更には、「私も良い加減オーブンデビューしなくちゃ!」と強く思うようになったのです。
オーブンデビュー当日
そして、終にその日が終に訪れました。
「よし!今夜はグラタンを作ろう!」と奮い立ち、下準備を済ませ、いざオーブンに挑もうと思った瞬間。
「あ・・・。今日は旦那さんの帰宅が遅い日だった・・・。なんでこんな日に一人でオーブンに立ち向かおうと思ったんだろう・・・。」
と一気に不安な気持ちに。
使い方全然分かんないじゃん・・・。
しかし、手元にはオーブンに入るのを今かと待ち構えるグラタンが。
仕方がない!やるしかない!とオーブンの温度を設定しようとしたら、アメリカは摂氏じゃなく、華氏だった~!!
急いでパソコンで摂氏を華氏に変換し、温度設定。
次は時間設定・・・と思っても、オーブンの火力がどんなものなのか想像もつかない私。
「よく分からないけど、日本の自宅のオーブントースターだと20~30分入れてればそれなりにグラタンができるから、とりあえず20分はオーブンに入れてみよう」
とグラタンをオーブンにイン!
しかし、20分してオーブンを開けてみても、まだつめた~いままのグラタン。
何の変化もないではありませんか・・・。
そうなのです。
予熱にめっちゃ時間がかかるのです。
本来なら、グラタンの下準備をする前から予熱をスタートするべきでした。
出来上がったグラタンと、突如訪れたホームシック
そんなこんなのドタバタ劇を経て、簡単に出来るはずのグラタンが、1時間以上もオーブンと奮闘する羽目に。
そして、出来上がった頃には、もう気持ちは萎え萎え。
また、出来上がったグラタンをオーブンから取り出そうにも、熱気が熱いわ、グラタン皿が重いわで、結局オーブンから直接お皿にグラタンをすくい入れる羽目に・・・。
もう必死です。
そして、一通りオーブンと格闘し終わった後、ふと
「絶対こんな大変な思いしてオーブンを使っているの、この町で私一人だけや・・・」
と訳の分からん悲劇のヒロイン状態に陥ってしまったワタシ。
オーブンがブイ~ンと音を出す度にビビりまくり、冷や汗なのかオーブンの熱が暑くての汗なのか、なんだかよく分からない汗をダラダラかきまくりの私。
出来上がったグラタンを一口食べてみても、味は日本で作ったときと同じなのに、アメリカでのこの状況がやけに悲しく思えてきました%。
そして、それまであまり恋しいと思わなかった日本が突然恋しくなり、切な~い気持ちに。
海外に来ると、ホームシックはつき物。
大抵は英語が分からないとか、友達がなかなかできないとか、そんな理由から。
でも、私の場合はこのオーブンが引き金でした。
誰に言っても笑われてしまいそうなこのホームシックの原因。
オーブンが駆使できるようになった今だからこそ、笑い話となっています。