主人の友人たちとカニを食べに行く
ワシントンDC周辺で有名な食べ物って何!?
と聞かれたら、
ブルークラブ(blue crab:ワタリ蟹)なんだとか。
4月から6月は、ソフトシェルクラブ(soft shell crab)と言って、脱皮したてのカニを丸ごと食べる・・・なんてこともできるそうです。
ただ、私達は仕事で接待とかする家庭じゃないし、毎日の暮らしの中で、
「今日は絶対カニの気分!」
ということもないので、今まで全くご縁がありませんでした。
しかし、主人の学生時代の友人が久々集まる事になり、
せっかくなら、ワシントンDCの名物食べようよ!
ということになりました。
乱雑に扱われるカニ
カニを食べるというと、日本では高級食材。
また、日本人は
高級食材ほど最小限の調味料で、素材の味を楽しみたい
タイプ。
カニは、シンプルに茹で、さっぱりとしたカニ酢をつけて頂くイメージです。
そして、盛りつけとなるデコレーションだって大事です。
しかし、アメリカはちょっと違うようで。
まず、今回食したDC名物のカニは、
蒸してる段階から塩分たっぷりのスパイス(コンソメ味のポテトチップスのような味)がカニにふんだんにかけられています。
スパイス、バッサー!っとカニに掛けたでしょ!
と言いたくなるくらい、調味料がカニの上で固まっています。
また、提供のされ方も乱雑。
キッチンから出て来たウェイターの手には、ハンバーガー屋さんにあるようなトレイに山のように積まれたカニ。
そして、紙の敷かれたテーブルの上に、これまた
バッサー!!!
洗面器の水じゃないんだから!!
いざ蟹を食す
日本のカニは、肉厚でふっくら。
しかし、ワシントンDC周辺で採れるカニは肉薄。
でも、大抵のお店で食べ放題を提供しているから、肉薄でも大食いアメリカ人のお腹を満たせるってワケ。
久しぶりに集まった友人たちだと言うのに、みんなハンマーや歯で殻を割りながら、無言でカニと向き合います。
すると、突然誰かが中国系アメリカ人の友人(女子)を見ながら、
「うぇ~!!」
の非難の声。
どうした!?と彼女を見ると、
カニの胴を開け、蟹ミソを食べようとしていました。
そして、友人たちが彼女に向かって
「そこは食べるとこちゃう!!!」
の猛攻撃。
すると、彼女は
「何言ってんの!!ここが美味しいんだってば!!」
の反論。
そして、私も
「日本では蟹ミソ(訳を知らなかったので、”crab miso” と無理矢理)と言って、お酒なんかをそこに入れたりもして食べるんだよ」
と彼女の肩を持ちましたが、黒人、白人のみんなからは
「キモイ!!!」
の大ブーイング。
カニは足だけ食べるもの!!内蔵まで食べるなんて気持ち悪い!!
と散々でした。
家庭の食文化が国で大きく異なるアメリカ
カニの身よりも、塩気の強い味に完全にノックアウトされた私。
食べたんだけど、カニを食べた気がしないという、なんとも不思議な気持ちです。
そして、いち早くカニから身を引いた私の前で、
私でさえ抵抗のあったカニの肺まで食べていた例の彼女や、
断固として足しか食べていない他の友人たちを見て、
同じアメリカで育っていても、各家庭の食に対する考え方はこうも違うもんなんだなぁと感じつつ、
最後はやっぱり、
こんな塩辛いもんよくまだ食べ続けられるわ~
で終わりました。