外国人名の略称・愛称・略名の秘密。ビルの本名はみんなウィリアムなのか?

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ジミー・カーター、ビル・クリントン、トニー・ブレア。
ボブ・ディランにチャック・ベリー、ミック・ジャガーにマイク・ラヴ。
ブラッド・ピット、ティム・バートン、ケイト・モス、ウィル・スミス。
一度は聞いたことのあるこの有名人たちの名前、
実は全部正式な名前ではありません。

全員ウィリアム

留学中、衝撃的だった出来事のひとつがこの「外国人の略称」
Bill先生の名前が、イヤーブック(毎年発行される、全校生徒向けの卒業アルバムのようなもの)ではWilliamになっていたのです。
わたしは早速Bill先生に尋ねにいきました。

「先生ホントはウィリアムだったの?なんでビルなんて名乗ってるの?」

「HAHAHA。ビルって人の本名はみんなウィリアムだよ!」

!?(゚〇゚;)
ウィルとウィリーはなんとなく「ウィリアムなんだろうな」と思っていましたが、まさかビルもビリーもみんな正体はウィリアムだったなんて。
Bill先生は追い討ちをかけるように言いました。

「ちなみに、ボブはロバートだよ。ボビーもロビーもロブもバートもみんなロバート。ディックはリチャードだし、ペグとかペギーはマーガレットだよ。ヒヒヒ」

・・・もう、わけがわからん。BillのBもDickのDもPeggyのPもどっから出てきたんだよ。
そりゃあ、アレックスがアレクサンダーとか、ベンがベンジャミンとか、クリスがクリストファーとかはわかるよ。
でも頭文字変えられたらもうお手上げだよ・・・。

法則はないがテンプレがある

これ、勿論本人が勝手に決めているわけではなく「この名前はこの本名の略称」というテンプレがあるようです。
AlexならAlexanderかな?と思いますが、I’m Xan(ザン)とか言われたらパッと思い浮かびませんよね。
でもよ~く見ると、入ってた!Ale”xan”der!
EdはEdwardでしょ、ってことはEddyもきっとEdward!ちょっと付け足してTedとかTeddyもEdward・・・。
MaggyはMargaret、ちょっとムリがあるけどなんとなく字面が似てるしMegもMargaret、ちょっと変えてPegとPeggyも・・・

・・・なんで付け足したり変えたりする???

あれか?まさみがマチャミに、ひさこがヒチャコに、そしてチャミとかチャコとかになるようなもんか?大村くんがダイソンになるような感じか??

でもPollyの本名がMaryとか、AnnがNancyになるとか、もうそれ略してすらいないじゃん。

まあでもあだ名ってそんなもんですよね。(笑)
ファーストネームとミドルネームの頭文字を取って、
たとえばDaniel JohnさんがDJと名乗っている場合なんかもありますね。

要注意!

①本人にとって略称はれっきとした「自分の名前」。
本名は同じでも、BillとWillは違う名前です。本人の名乗る名前で呼びましょう。

②名前の最後にyをつけるとちょっと子供っぽいイメージになるので(くん・ちゃん付けのような感じ)たとえTedよりTeddyのほうが発音しやすくても、本人が名乗っていない限り、勝手にyをつけるのはやめましょう!

「あだ名」とはちょっと違う、外国人の略称

英語圏では略称はれっきとした本名で、通称ではありません。戸籍にのっている正式な名前ではない、というだけ。
(最近では戸籍上の名前も略称になっていて、本当の正式な名前というケースも増えているようですが)
だからサインも、入学や入社に必要な書類も、普段慣れ親しんでいる略称で構わないのです。
Bill先生も本当は、卒業アルバムだからといってWilliamにする必要はないのですが、
本人いわく「なんとなく。どっちでもOKだし」だそうです。(笑)

ちなみにフルネームを書く時は、ファースト・ミドルネームの後に略称を””で括ります。
たとえばジョニー・デップはJohn Christopher “Johnny” Depp II
ジョン・クリストファー(通称ジョニー)・デップⅡ世 という感じ。

親子で同姓同名は普通!

法律で同じ戸籍内の同姓同名が禁じられている日本では馴染みがありませんが、
アメリカでは父親とまったく同じ名前をつける習慣があります。
ジョニーデップのお父さんの名前も、同じジョン・クリストファー・デップさんなのでしょうね。
父親とまったく同じ名前の息子は家庭内では「Jr.(ジュニア)」と呼ばれ、
そのまた息子に同じ名前がつくと「Third(サード)」と呼ばれます。

これが原則らしいのですが、個人的にはまったく同じ名前の父子より、
ファーストネームだけを継承して父親とは別のミドルネームで呼ばれるパターンの方が多い気がします。
最近は同じ名前をつける親が減っているようですね。時代の流れとしては当然なのかなと思います。

まとめ。

漢字がある日本と比べ、特に宗教色の濃いアメリカでは聖書や聖人から名前をつけることが多いので、どうしても名前が人と被りやすいのですね。
(ランキングを見ていると、ここ数年はちょっと変わった名前や中性的な名前が人気のようです。)
呼び方ひとつでも、26文字のアルファベットの中に色々な工夫があるんだな~と関心した、在りし日の異文化エピソードでした。