主人公と共に英語を学ぶ映画『ターミナル』英語学習初心者にもおすすめ!

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今回は英語の勉強にイチオシの映画、「ターミナル」をご紹介します。

映画は楽しく英語学習ができる、とても良いツールです。わたしのオススメの観かたは、最初に英語&日本語字幕で、その次に英語&英語字幕で、3度目は英語だけで。

わからないところはひとつ前のステップに戻ってチェック!繰り返しの勉強は苦痛でも、お気に入りの映画なら何度観ても楽しめますよね。

でも、どれも会話が速すぎてついていけない・・・
難しい単語が多くていちいち辞書をひくのが大変・・・
なんて悩みがつきもの。

「ターミナル」は主人公が英語を話せないところからお話が始まります。周りの人たちも主人公のためにゆっくり、簡単な単語を使って話しますので、なかなか洋画が聞き取れない方にもおすすめできます。

是非、主人公の気持ちになって、一緒に英語を学んでくださいね!

ターミナルのあらすじ

原題は“The Terminal”
トム・ハンクス主演、スティーヴン・スピルバーグ監督。2004年の映画です。

アメリカの空港に降り立った主人公ヴィクターは、入国審査で引っかかり別室へ連れていかれます。彼が飛行機に乗っているあいだに母国でクーデターが起こり、政府が消滅したため、パスポートが無効になりビザも取り消されてしまったのです。

職員が説明しようとしても英語がわからないので、何ひとつ理解できないまま空港の乗り継ぎロビーに放り出され、そこで見たニュース映像で母国が戦争状態にあることを知り、泣き崩れ途方に暮れます。

でもずっと泣いているわけにもいきません。ヴィクターはなんとか稼ぎ出したお金で数ヶ国語で出版されている旅ガイドの英語バージョンを購入。母国語のものと照らし合わせて夜な夜な単語を勉強し、周りの人と関係を築いていきます。彼が英語を覚え人間関係を作っていく様、そして本筋のストーリー展開ぜひお楽しみください。

「ターミナル」で学ぶ空港英会話

まずは基本的な単語からどんどん行きましょう!

  • check in 搭乗手続き
  • destination 目的地
  • flight number 便名
  • on time 時間通り
  • delayed 遅延している
  • canceled 欠航
  • international flight 国際線
  • domestic flight 国内線
  • transfer 乗り継ぎ
  • boarding pass 搭乗券
  • carry-on baggage 機内持ち込み手荷物
  • security check 手荷物検査
  • immigration/passport control 出入国審査
  • baggage/luggage claim 手荷物受取所
  • customs 税関

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イミグレーション(入国審査)では実際に映画で使われるような決まり文句の質問をされます。

・What is the purpose of your visit? Business or pleasure?
入国の目的は何ですか?

・How long will you be staying?
どれくらい滞在する予定ですか?

・Could I see your return ticket?
帰りの航空券を見せてください。

映画ではこんなアナウンスもありました。

・Due to the heavy snowfall, all flights have been cancelled.
吹雪の影響で、全便が欠航となりました。

覚えておくと便利なフレーズがたくさんですね。

気になる!あのシーン

さて、日常会話で出てくる単語やフレーズで、耳にひっかかったものをいくつかご紹介していきます。

☆トワイライト・ゾーン

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あらすじで「法の隙間」に落ちたと書きましたが、日本語字幕ではこの表現が使われています。では英語ではどんな表現がされているのかというと・・・

“It’s like a Twilight Zone.”

トワイライト・ゾーンという単語は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

二者間にあって、両方の特徴を備えている、はっきりしない、どちらでもない領域のことです。アメリカでも、クラコウジアでもない、出られず、入れない、戻れもしない。まさにトワイライト・ゾーンですね。


☆サムおじさんって誰?

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「明日までにはすべて解決するでしょう」
実際はしないわけですが、ディクソンのこのセリフ、英語で何と言っているか聞き取れるでしょうか?

Uncle Sam will have this sorted out by tomorrow.”

突然のサムおじさんがなんとかしてくれるらしい。

Uncle Samって誰やねん。
Uncle Sam・・・略すとU.S.・・・そう!
Uncle Samとはアメリカのことなのです。アメリカが擬人化されたキャラクターです。

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↑このおじさんです。アメリカ人は皆知っています。
1800年代には既に存在していたキャラクターで、第一次世界大戦時の陸軍募兵ポスターに描かれた姿が今でも親しまれています。

ちなみにアメリカ擬人化は女性版もあって、彼女の名前は「コロンビア」といいます。

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美人です。


☆今時ポケベル?

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次はこれ。
30代~の方には懐かしの、それ以下の方には「なにそれ?」かもしれませんが、ポケベルです。
ポケットベル、略してポケベル。これは和製英語なんですね。

”This, in case we need to contact you, is a pager.”

もはや使う機会はないかもしれませんが、ポケベルはpagerといいます。pageという単語にはお馴染みの「ページ」という意味もありますが、動詞だと名前を呼んで人を探す、呼び出すという意味があります。

例えばこんな風に使われます。

Paging Ms. Amanda Smith. Will Ms. Amanda Smith please come to information. ”
「お呼び出し申し上げます。アマンダ・スミス様、インフォメーションまでお越しくださいませ。」

pageする機械、pagerなんですね。ポケベルが鳴るのは、”pager beeps”と表現します。

日本では1998年には既にPHSでメールができたので、2004年の映画なのにポケベル?と思ってしまうのですがiPhoneが登場するまで、アメリカのモバイル事情は意外にも日本よりずっと遅れていました。

わたしが小さなJ-Phoneを使っていた頃、アメリカではまだデッカイ自動車電話が普通に使われていたんですよ!


☆モノなのにShe?

Power Boat Cruiser

ディクソンと上司が船について話すシーンがあります。

She‘s a beautiful boat and I hope you get her soon.”

モノなのに、ItじゃなくてSheなの???

船は、英語ではなぜか徹底して女性なんです。由来は諸説ありますが、男性の愛するものなので、というところでしょうか。

ただ愛着を表現するわけですから、何の思い入れもないただの船について話すときはItを使うこともあります。飛行機や車も女性として表現されることがしばしばありますが、船ほどではないですね。

ちなみに、月もSheで表現します。対する太陽はHeです。


☆ナポレオンは遠視?

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ヴィクターがキャビン・アテンダントのアメリアとナポレオンの会話をしているシーンでは、「ナポレオンは遠視だったという説がある」なんてセリフがあります。

遠視って、英語で何と言うのでしょう?

“Rumor has it that Napoleon was farsighted.”

far-sighted、遠視。そのままですね。同じように、shortsightedは近視。乱視はastigmatic。老眼はold sightとか、aged eyesなんていう表現を使います。


☆食事の誘い方について

「軽く食事でも」
ヴィクターは何と言っているでしょう?

“Amelia, would you like to get eat to bite?”

実はこれ、間違いです(笑)

軽く食事でも、と言いたい時は
“Would you like to get something to eat?”
と言うのがいちばん一般的です。

something to eatを言い換えて、something for a biteと言うこともできます。
“Would you like to get something for a bite?”
となりますね。

eatとbiteは一緒には使いません。「食べるのに齧ろう」という感じ。

でもeat to bite, eat to bite,と繰り返しすぎてbite to eat, bite to eat,になってしまうシーンは、ヴィクターが可愛くて微笑ましい!

ちなみにアメリアがヴィクターを誘ったときは、「軽く夕食でも」と言っています。

“If you’d like to grab some dinner, we can run right out and catch a cab.”

grab some dinner/lunch/food/drinks という表現もよく使われます。

ここは絶対、英語で観てほしい!

字幕ではちょっとわからない、アメリアが不倫の彼の話をしているシーン。

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“This… man… has you.”
Why he need… puzzle?

字幕では「どうして君がいるのにパズルなんて?」となっていましたが、puzzleにはふたつの意味があります。

ひとつは文字通りの「パズル」、もうひとつは「心を悩ませる、迷わせる」という動詞です。

文法テスト方式でいくと、この文章の欠けている部分は

Why ____ he need ___ puzzle?
となりますね。

字幕どおりなら、
Why does he need a puzzle?となります。

でも、もしここにちょっと違う単語が入るとどうでしょう?
Why does he need to be puzzled?
「どうして君がいるのに迷う必要があるの?」

ヴィクターのカタコト英語は、受け取る人によってカタチを変えることがよくわかるシーンです。他にも字幕の裏の意味がところどころに隠されていましたよ。是非英語でチェックしてみてくださいね!

ヴィクターは最初、文法どころか簡単な単語すらわかりません。かろうじて聞き取れたり理解できる単語を繋げて、ニュースを知ったり、友人たちと会話をします。

自分なら、どう表現するかな?どんな単語で母国の状況を察することができるだろうか?意思の疎通ができない相手にどんな言葉で話しかけるだろう?そんなことを考えながら観ていくと面白いですね。

ちなみにヴィクターの話していた母国語の「クラコウジア語」は架空の言語で、すべてトム・ハンクスが親戚の話すブルガリア語からヒントを得たアドリブなんだそうですよ!


予告編&本編300円でこちらのYouTubeからご覧いただけます!