- 英語の勉強は10年以上ごぶさた、でもTOEIC受けるハメに
- TOEICの予想問題集買ってみたけど、手も足も出なかった……
- いくらTOEIC相手でも、『ガリ勉』はやだなぁ
- 高得点取れなくていいから、ノルマは1日30分以下で!
『0から始める』『学校出てから時間が経ちすぎて英語の記憶があいまい』というような、ホントに1からTOEICを学びたい人向けの教材。目標点は350点と、TOEIC教材の中ではこれ以上ないってほどやさしい。
ほんとに全然まったくこれっぽっちも英語に自信がない人には嬉しい、それ以外の人にはぬるく感じる一品。
お得度 | 11点/20点 |
---|---|
手軽さ | 17点/20点 |
オリジナリティ | 15点/20点 |
信頼度 | 14点/20点 |
満足度 | 13点/20点 |
合計 | 70点/100点 |
ざっくり言って、どんな教材なの?
1日15分、週3回、3か月でTOEIC350点(英検3級・中学卒業レベル)を目指す教材。
単なる問題演習が多いTOEIC教材の中ではめずらしく、『通勤』『買い物』などのテーマごとに頻出単語や文法のポイントを解説してくれる。
頻出単語がラップみたいなノリで流れてきたり(笑)、ページの半分以上がイラストのページがあったり、TOEIC教材にあるまじきゆるさが特徴。
とはいえ、作っているのは英会話教材最大手のアルク。単にゆるいだけじゃない(笑)
選ばれているテーマはどれもTOEICでよく取り上げられるテーマだし、リスニングのクオリティは高いし、和訳は『きれいな日本語訳』と『パーツごとの直訳』が用意されていたりする。
しかも、最終仕上げとしてTOEICの問題形式と同じ形式のチェックテストもついている。試験を意識し過ぎること無く、でもしっかり試験勉強ができるんだ。
単に難易度を下げただけにとどまらない、『初心者はどこからやればいいのか』がしっかり押さえられた手堅い教材。
ただし目標点は350点。ここを超えている人にとってはぶっちゃけぬるいので、そこは注意してね。
あけてみた
「350点を目指すTOEIC教材ってどんなのよ?」
気になるよね。
もちろんちゃーんと買って中身をチェックしてありますとも!というわけで大・公・開~!
箱の中身はこれで全部。これで3か月。うむ、コンパクトだ(笑)
中身を詳しく見ると
CDが4枚と、テキストが3冊。それぞれ1枚と1冊で1か月分で、黄色のCDはチェックテスト(模試)用だよ。
テキストの中身はこんな感じ。
どうよこのイラストのでかさ!(笑)
もちろん全ページこんなノリじゃないんだけど、大体絵が多い。
ノリとしては「NHKラジオ英会話」に近いかな。ただ、あっちに比べると難易度はやさしめだよ。
ちなみに、1週間のカリキュラムは
1日目:基本フレーズと会話の聞き取り
2日目:会話の聞き取り
3日目:直聴(聞いてる先から理解する)
4日目:復習
という感じ。何気に毎日やることが違う。これを繰り返すことで少しずつ実力が上がっていくというわけ。
そして、このテキストが初心者向けたるゆえんがここ
ま さ か の フ リ ガ ナ
英語で聞き取りづらい部分にはカタカナでフリガナが振ってある!お前はカラオケの字幕か!(笑)
とはいえ、このフリガナはあくまで『聞き取りのサポート用』のフリガナ。正しい発音とかそういうものではないし、あくまで聞き取りづらいところにだけついてるものなのでご注意あれ。……発音記号?なにそれ美味しいの?
ちなみにこのテキスト、最後にはマンスリーテスト(練習問題)がついている。
1ヶ月の勉強が終わるごとにテストがある感じだね。このテストの形式はTOEICと同じだから、TOEICの問題演習にもなる。
しかも、自分で採点するのではなく、マークシートで回答してアルクに郵送する形式!(ネットで解答もできる)もちろん、送らなきゃ答えはわからないので張り合いがあるよ!
さらに、TOEIC本番と全く同じ形式の問題セットもついている。
問題数は実に100問(全セクション合計)。これがあれば過去問題集はいらない(?)
どんな風に勉強すればいいの?
公式ではノルマは1日15分、週3回(+復習)と言われてるけど、これは『CDをその都度止めて、テキスト見ながら取り組んだ場合』なんだ。
CDの実際の分量は1日5分ぐらいで、しょっちゅう一時停止かける形になる。
これはお手軽な反面、その部分だけ繰り返し聞くのにはあんまり向いてない。移動時間に聴く場合は一か月分(CD1枚)をずーっと回転させるとちょうどいいんじゃないかな。
この教材は問題も解説も全部CDに入ってるから、CDを聞くだけでも勉強になる。
先の勉強内容のネタバレになっちゃうけど、どっちにしろ内容を覚えるんだから問題ない、たぶん(笑)
移動時間にはCDを流し、家では机に向かってテキスト見て勉強する、そんなリズムがオススメだよ。
この点は注意
この教材の問題点は2つ。
あくまでも『目標は350点』
ボリュームは少なめ
まず1つ目の『目標は350点』。これはこの教材のメリットであると同時に、弱点でもある。
どういうことかというと、『この教材を全文丸暗記しても、一定以上のスコアは取れない』ってこと。
初心者向け、ということで、この教材は単語も、問題も絞り込んでいる。言い換えれば『難しい問題は最初から取り上げていない』。高得点を狙うために必要な要素が『そもそも入ってない』んだ。
だから、500点や600点、それ以上を目指す人にとっては物足りない。『500点欲しいけど、難しい勉強イヤだからこれにする~』っていうのはやめたほうがいいってこと(笑)
次に2つ目の『ボリューム』。1日15分、週3回というノルマが示す通り、この教材は内容をとにかくコンパクトにまとめてある。その分、単純なボリュームは他のTOEIC教材より少ないんだ。
ぶっちゃけ、その気になれば一ヶ月で終わってしまう分量。
ただ、大事なのはボリュームじゃなくて『勉強する習慣をつけること』。『1日15分』というノルマはスキマ時間でやるのにも向いてるし、教材自体の難易度も低いので、習慣づけがしやすい。
「よし、今日から本気でやるぞ!」と意気込んでムチャクチャなノルマを課して力尽きるのはよくある話(笑……えない)
英語の勉強習慣がない人には、これぐらいの量からスタートするほうがむしろ取り組みやすいんじゃないかな。
まとめると……
絶対に挫折したくない人向けの、『はじめてのTOEIC教材』。
英語はアルファベットとちょっとの単語しかわからないレベルの人でも取り組める、『やさしさ』にこだわった教材。だからといってお茶を濁すのではなく、ちゃんとTOEICの頻出単語や文法、模試がセットされているから、真面目に取り組めばきちんとスコアが上がる。
「TOEICの問題集買ってみたものの、辞書引かないと選択肢の意味さえわからなかった……」というような、TOEICそのものに苦手意識を持っている人にはかなり嬉しい。
ただ、何度も言うけど目標点は350点。つまり『はじめの一歩』以上のものにはならない。TOEICでのハイスコアを目指すなら、この教材を足がかりに別の教材にステップアップしていく必要がある。
ただ、ここでつけた勉強習慣と自信はその後の勉強にもしっかり役立つ。
まとめると
難しいとやる気をなくす人のための、これ以上ないほどやさしくて丁寧な『第一歩』。
英語に全く全然これっぽっちも自信がないけどTOEICを受けなきゃならなくなったら、手を出してみる価値はあるんじゃないかな。