ざっくり言って、どんな教材なの?
1日のノルマ20分の間に、リスニング・スピーキング両方のトレーニングができる教材。
お得度 | 13点/20点 |
---|---|
手軽さ | 16点/20点 |
オリジナリティ | 14点/20点 |
信頼度 | 14点/20点 |
満足度 | 13点/20点 |
合計 | 70点/100点 |
1回当たりの文章量は少なく、ほぼ同じ文章をリスニングパート・スピーキングパートで使い、短時間で確実に覚えさせる仕組みを作っている。一日分の量も少ないので、スキマ時間にやるにはちょうどいい。
難易度はまさに『初心者向け』で、中学英語を学んだ経験がある人ならば問題なく取り組める程度。また英文と意味ごとの直訳、通しの和訳を併記することで日本語と英語の順番の違いなどが分かりやすくなっている。
……と、工夫を凝らしているのはわかるんだけど『凝りすぎて中途半端になった』状態なのは否めない。使われている文章も『他の教材でも見かけるような文章』でオリジナリティは薄い(オリジナリティがあればいいってもんでもないけど)。
何より、ウリである『スロー音声』が非常に聞き取りづらく、デメリットと化しているのが……。全体を通して「やりたかったことはわかるけど、惜しい」という教材。
どんな特徴があるの?
この教材の大きな特徴は
『1日のノルマの中にリスニングパートとスピーキングパートがある』
『超スロー音声』
この2つ。
リスニングパートとスピーキングパートについては
↓
スピーキングパートで『口に出して言えるようにする』
という流れ。英文は基本的に短文で両者の英文はほぼ一緒、分量も一日約6行程度と少ないのでストレスなく取り組める。後回しにしがちなスピーキングがノルマに入っているのは心強い。
ちなみに『国内編』『海外編』と分かれているが、コレは『国内編→日本に来た外人を迎えるときの会話』『海外編→自分が海外に行ったときの会話』という違いで、難易度の違いはないよ。
『超スロー音声』はこの教材の目玉の一つであり、公式ページでも強調されている部分。その名のとおり、ナチュラルスピードとスロースピードの2種類の音声が収録されている。
……が、これが正直微妙。スロースピードはナチュラルスピードを機械で引き伸ばしただけなので単語の区切りが分かりづらく、ただ間延びして聞こえる。
しかも、スロースピード音声は一文を伸ばすのではなく、意味のまとまりで区切った上でスローにし、その都度和訳を入れるスタイルをとっている。これは『スーパーエルマー』などでも使われている方式だけど、スローで間延びしているせいで今何を聞いているのか分からなくなる(涙)
スピークナチュラルとの違いは?
この教材とよく似た教材に、『スピークナチュラル』がある。これは英スタでも初心者向け教材としておススメしている教材。
なんでこの2つが似ているかというと、開発者が一緒なのだ。2016年8月現在、大人の事情で『スピークナチュラル』は開発者が変わっているものの、元はといえば大阪観光大学准教授の池田和弘先生によって作られている。『リッスントーク』も池田先生作。なので、基本コンセプトはとてもよく似ている。
この2つの違いは大まかに言えば『ストーリー性があるかないか』と『スロー音声の収録方法』。
『リッスントーク』が『アメリカから来た人を日本人が案内する(海外編は逆)』というストーリー展開を持たせているのに対し、『スピークナチュラル』は『会話の基本パターンとバリエーション』にこだわっている。ここは好みが分かれるところだろう。
むしろ大事なのが『超スロー音声の収録方法』。これは残念ながら(?)『スピークナチュラル』の方に軍配が上がる。『リッスントーク』のスロー音声は通常の音声をただ引き伸ばしただけで、前後の単語で発音が変わる部分もそのまま延びているため、ヘタをすると英語力関係なく何を言っているかわからない事態になる。
『スピークナチュラル』のスロー音声は単語一つ一つを丁寧に発音しなおしているため、確認したい音をしっかり確認することができる。
難易度については両者ほとんど差がない。ただ、ノルマ時間に対する密度(学ぶ量の多さ)はリッスントークの方が少なめ+とっつきやすいので、結果的にやさしく感じるかも。
『リッスントーク』の方が親しみやすく、『スピークナチュラル』の方が実践的だね。
あけてみた
というわけでご開帳~!
中身はこんな感じ
届いたダンボールはただのダンボールだったので割愛(笑)右側の箱の中に、テキストとCDセットが入っている。
テキストはこんな感じで、まず発音や文法などのサラッとした解説がついている。発音や文法について触れてるのはここだけ、しかも10ページもないシンプルさ。ぶっちゃけおまけ感強い
こちらがリスニング・スピーキングの基本ページ。この分量を聞き取れる/喋れるようになるのが一日のノルマ。ちなみに、右と左は対応しているようで微妙に対応していないのでご注意(左ページにはストーリーの流れがあり、右にはない)
こちらがリスニングの和訳、補足説明。ちょっと見づらいけど、英文、意味のまとまりごとの直訳、和訳という順で並んでいる。公式ページではあまり言及されていないけれど、この3つを並べて見られるのがこの教材のさりげない特徴というか、メリットだったりする。
最後にこちらがスピーキングのページ。言葉を入れ替えてのバリエーションがちょこっと載っている。量は控えめだけど、『一日20分』というノルマを考えるとこれぐらいでちょうどいいのかも。
聞いてみた
この教材の『超スロー音声』については、聞いてみないと分からないのでサンプル音声を作ってみたよ! サンプルはCD1だけど、難易度は最初から最後まで変わらないので、この難易度とスピードでずっといくと思ってOK。
どんな風に勉強するの?
基本的には
『テキストを見ながら音声を聞く(リスニングパート)』
↓
『日本語を聞き、英訳を声に出す(スピーキングパート)』
という流れ。リスニングパートで聞きとった英文をスピーキングパートで言えるようにしていくと考えればほぼ間違いない。難易度はやさしいし、短文なのでテキストを見ずに音声だけで取り組むことも可能。ちなみに使われている単語の訳は載っているものの、文法的な補足は何もないのでご注意。
学習期間と一日のノルマは?
公式曰く、ノルマは『1日20分』×『半年間』。ボリュームから見ても20分あれば終わる量。教材全部が届くので、短期間に勉強したいなら自分で調整することももちろん可能。とはいえ、リスニングもスピーキングも毎日やることが大事なのでそこは頑張って(笑)
いずれにしても、『英語の勉強のために無理やり時間を空ける必要はない』ノルマと内容なので、そこは安心してね。
返金保証について
公式ページには『返金保証』の文字が書いてあるけど、届いた教材には『返金保証』についての書類は一切入っていない(!)試しに公式にメールしてみたけど、今のところ音沙汰なし(汗)
返事が来たら追記するけど、返金保障については今のところ『なんともいえない』としか言いようがないね…。販売サイトに書いてある以上、反故にすることはないだろうけど、まだ体制が整っていない印象を受けるのでちょっと手続きが面倒くさいかも。
まとめると……
難易度をとことん下げ、ノルマも軽くした初心者向けリスニング&スピーキング教材。簡単さにこだわり、より聞き取りやすくしよう、より分かりやすくしようと工夫を凝らしたのはとてもよく分かる。
分かるんだけど、その努力が空回りしている感じが半端ない(涙) スロー音声は聞き取りづらいし、意味のまとまりごとの和訳もこの教材とは相性が悪く感じる。
ただ、一日のボリュームが少ない+CDのみでの勉強が可能なので、移動時間しか勉強する時間がないぐらい忙しい人や手が離せないことが多い人には向いているかも。
1日当たりのノルマを極力軽く、かつ確実に実力をつけていきたいなら取り組む価値はある。ただ、『スピークナチュラル』と比べるとどうしても見劣りしてしまうのは確か。(同じ作者で内容的にも似ている分、あちらの良さが引き立ってしまうんだよね……)
まとめると
スキマ時間で、気軽にリスニング&スピーキングを身につけたい人のためのお手軽講座。英スタとしては『スピークナチュラル』の方をオススメするけれど、サンプル音声聞いて超スロー音声が気に入ったなら手にとってみてもいいかもしれない。