英文法イメージトレーニングの評価レビュー。書籍との違いは何?

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英文法を直感的に使いこなせるようにする教材。

お得度 13点/20点
手軽さ 15点/20点
オリジナリティ 14点/20点
信頼度 17点/20点
満足度 16点/20点
合計 75点/100点

初心者向けの英語教材の多くが「文法ナシで喋れる!」と宣伝するぐらい、親の敵レベルで憎まれているのが英文法。英語学習の中でも苦行感バリバリの英文法をあえて取り上げたのが『アルク 英文法イメージトレーニング』。

いくらアルクでも、英文法を分かりやすくするのは無理でしょ?そうツッコミたい一心で、あえて購入してみたこの教材。

果たして、アルクは分かりやすい英文法教材を作ったのか?それとも、本屋に売っている文法本と似たり寄ったりなのか?

さあ、確かめてみようじゃないか!

ざっくり言って、どんな教材なの?

英文法の知識を、イメージと解説と音声を使ってとことん分かりやすくした教材。

英文法って、理屈っぽくて窮屈なイメージがあるよね。正直『文法』って聞いただけで「すみません帰らせていただきます」って言いたくなる。

その気持ちは分かる。かなり多くの人がそう思ってる。

でも、心のどこかで「いつかはやらなきゃいけないんだろうなぁ……」と思っていたりする。実際、海外旅行レベルなら丸覚えした文章でどうにかなるけど、留学したりビジネスに使うとなったらそうはいかないからね。

この教材はそんな『英文法を、できるだけ苦労せずに、でもしっかり学びたい』ひとのためのもの。難しくなりがちな英文法をていねいにひもといた上で『イラストで分かる英文法』に仕上げているんだ。

この教材、最初に出てくるのはイラスト。もちろん単なるにぎやかしではなく、文法を理屈ではなくイメージで理解するための仕組み。『このイラストを英語で表現するにはこの文法を使う』という流れにすることで、スムーズに頭に入ってくるようにしてあるんだ。

さらに、テキストでは英文法の基礎を学び、別冊で応用が学べるという二段仕込み。初心者から中級者まで、知りたいことがまるごと入っている。

「文法やらなきゃ……でも難しいのはイヤ……」という人にピッタリの教材だよ。

どんな内容なの?

イラスト(イメージ)と理屈(解説)のダブル体勢で学ぶ英文法講座。文法教材って数学の公式を覚えさせるがごとく「この文法はこう!はい覚える!以上!」っていう、学ぶ側に優しくないものがほとんどだけど(涙)、アルク英文法はひとあじ違う。

まず最初に出てくるのはイラスト。イラストでシチュエーションをイメージさせ、「これを表現する文法は~」という形で解説を加えていくんだ。文法って文字で説明されると「分かるような、分からないような?」で終わりがちだけど、イラストが入ることでピンときやすくなっている。学んだ内容をイラストカードで復習する付録もついているので、頭ではなく感覚で分かるようになっているんだ。

カリキュラムは『英語を使うときに押さえておくべき順番』に並んでいるので、ムダがない。アルク定番のマンスリーテストはTOEICのパート5の問題形式と同じなので、TOEICの文法対策としても役に立つ。

解説が必要な分、テキストの文字量はアルクの他の教材と比べるとちょっと多め。ただ、そのぶんしっかりかみ砕いてくれているので、理解しやすくなっているよ。

誰が作っているの?/本と何が違うの?

この教材の制作者は慶応大学教授の田中茂範先生。英文法の世界ではかなりの有名人で、様々な英文法の書籍も出している。最近出した「表現英文法 増補改訂版」なんてA5サイズ756ページという凶器になりそうな厚さ!この先生が作っているというあたりにアルクの本気が伺える(笑)

……となると、当然書籍と教材の違いが気になるよね。

田中先生の書籍と『アルク英文法』の違いはズバリ『ポイントの絞り込み』と『わかりやすさ』。

先生がガチで書いた本はこんな感じで恐ろしく詳しく、そして字が多く、細かい。

大学で英語の研究をする人や海外在住者ならともかく、日本に住んでてちょっと英語できたらいいなレベルの人にはハードルが高すぎるのだ(涙)

その分、アルク英文法は『必要なもの』だけを学べる。解説も初心者向けにとことん分かりやすくなっているので「解説が何を言っているのか分からない……」なんて心配は無用。

じゃあ中級者には物足りないのか?というと、そんなことはない。

別冊のQ&A冊子では中級者向けのニュアンスの違いや使い分けについて詳しい解説が載っている。テキストで基本を押さえ、Q&Aで応用を知るという使い分けができるんだ。

つまり、教授の持っている知識の一番美味しいところだけを集めて分かりやすく料理したのがアルク英文法というわけ。

英文法に自信があって文法を極めたいマニアな人(!?)は先生の本に挑戦するのもアリだけど、普通の人はアルク英文法で必要なポイントを押さえるのがオススメだよ。

すきま時間に勉強できるの?

文法を学ぶ時になるのが『すきま時間に勉強できるか』だよね。この教材、テキストはB5サイズなので電車内などでは正直見づらい。……んだけど、そこで終わらないのがアルク。

この教材には、すきま時間勉強のための「パラパラ英文法」がついている。表面にイラスト、裏面にそのイラストをあらわす文法解説が書かれている。一枚一枚は名刺サイズなので、名刺ファイルに入れて持ち歩くのもアリ。

家でじっくり解説を読み、すきま時間はパラパラ英文法で感覚を掴む。この2ステップができるのは大きいんじゃないかな。

開けてみた

ということで、中身をご開帳~~!!

これが中身全体図。テキスト4冊にQ&A冊子、学習の手引き、CDが6枚がセットになっていて、テキスト1冊につき1ヶ月かけて学ぶように設定されている。

こちらがテキストの中身。最初にA、Bの2種類のイラストが並べられ、『この2つをどうやって表現するか』を学んでいくスタイル。右側のページはその日学ぶ文法についての解説。イラストを見てすぐ解説を読んでもいいし、試しに下の問題を解いてから横の解説を読むのもアリ。

ちなみにテキストの最後の方にはマンスリーテストがついていて、これはTOEICのパート5の問題形式そのもの。TOEICで文法問題が苦手な人は、ここで問題演習もできるよ!

こちらが解説&Q&A冊子。全151ページとそれなりの厚さがある。中身はテキストで学んだ知識を実際に使うためのコツを語った『実践編』と、Q&A。A5サイズで持ち運びしやすいので、長時間電車に乗る人はこの冊子をじっくり読むのもいいかもね。

まとめると……

英文法の『ここだけは押さえとけ』なポイントを、直感的に使いこなせるようにする教材。

ひたすら解説でゴリ押しするのではなく、イメージで理解させることで使いやすくしている。感覚に訴えてくるので、文法の理屈っぽさがキライな人も取り組みやすい。嫌われ者の文法を学ぶ苦しみを少しでも和らげようというアルクの心意気が伝わってくる。

それでもやっぱり文字数は多め。そこは英文法を学ぶ以上、踏ん張るしかないポイントだったりする。でも、一日のノルマは少ないし、アレもこれもとは言わないし、英文法教材の中ではとことん親切でわかりやすい。

ふろくのパラパラ英文法なんて、単語カードレベルのシンプルさだからね!

『ブ厚い文法書か、文法なんかいらない派か』の二択みたいな世の中で、まじめに英文法に向き合って作られた珍しい教材。(実際、英文法の通信講座って少ないからね)

まとめると

「真剣に英文法を学びたい、でも難しいとついていけない!」という人のための、分かりやすさを最優先にした正統派英文法教材。

今までの文法書で挫折した経験があるなら、試してみて損はないよ。

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